誕生日体験談その6。6話目の体験談は、女性田中さん(仮名)の誕生日に関する体験談です。
情報サイト誕プレでは、誕生日に関する体験談を様々な人にお聞きし、その体験談を掲載しています。この体験談が、皆さんの誕生日の祝い方のヒントになれば良いと思っています。
以下の内容は、2012年、田中さんが20歳の時のお話です。
フランス語クラスの友人達との誕生日旅行
私が一番思い出深い誕生日は、20歳の誕生日です。誕生日を祝ってくれたのは、私が大学で一番仲の良かったフランス語を学んでいるクラスの女友達5人でした。
各々が留学や将来のことを真剣に考え始めたころに、「よし、息抜きがてらどっか行こう!どうせなら泊まりにしよーや。」
という提案をしました。私自身は、大して行き詰まりを感じているわけでもないのに、息を抜きに兵庫県北方の有名な温泉街への旅行を提案したのです。
当時、仲良しグループの中では、いつもこういう立ち位置でした。
このような提案は大抵うまくいきませんが、なぜかその時はみんなも色々と抱えていたものがあったのか、あっさりと全員からOKの返答が来ました。
俄然やる気いっぱいになった私は、サクサクと事を進め、1泊2日の旅館予約に、友人の手も借りてレンタカー手配も済ませ、いざ出発です。
1日目の午前中は、ほぼ車での移動。寝る人もいれば、景色を見ながらいつの間にか眠った人。助手席に座りつつも、ナビはせず、運転手との話に花を咲かせつつ、自分が眠くなったらいびきを軽くかいて寝る傍若無人っぷりを発揮していたのは誰だったか忘れましたが…。
お昼には海鮮を味わい、「美味しい!」「なんじゃこれ!」「幸せー。」と談笑し、お店の方の計らいで座敷に通してくださり、その上、お客さんも他にいなかった事を良い事に、しばらく女子特有のはしゃぎ方を露呈した後は、旅館に戻り、巡り湯の準備をし、出発しました。
温泉では、将来の語り合い。裸の付き合いとは不思議な力があるもので、普段私以外の友人はあまり自分のことを語りたがらないのですが、このときは珍しく饒舌に語りだしてくれました。なんとなく幸福を感じていました。
実は、誕生日当日に温泉旅館の予約をしたのは私自身。「何かあるかなぁ」という期待ももちろんですが、誕生日に好きな人達に囲まれて、目一杯楽しみたかったのです。あとは、単に、幸か不幸かその日しかその人数で予約が取れなかったことが要因です。
1人当たり何杯食べたのか分からない量のカニを食べ、成人の私はお座敷に残り、先に部屋へ戻った3人を見送り、残り2人と割とどうでもいい話をしていました。
どうでもいいと言っても、私がみんなに早めのクリスマスプレゼントをあげたことについてすごく喜んでくれていたことや、またもや将来の夢について、恋愛について、今日のカニの美味しさについての話。今思い出せば、本当にいい時間でした。
誕生日で旅館から頂いた日本酒をちみちみ飲みながら、軽く酔い、そろそろ部屋へ戻ろうという事になり、お座敷を後に。
部屋へ戻る道中、友人2人は廊下のお手洗いへ、私は部屋のお手洗い目当てに戻りました。
襖(ふすま)を開けると、先に帰っていた3人が何やら机の上で準備していました。
「ただいまー…何してるのー?」
「おかえり…わぁぁぁ?!?!!?」
「なになになになに!?」
何かを隠そうとしていますが、本当に手遅れでした。
そこには、HAPPY BIRTHDAYのロウソクに、私の名前が。
「出て行ってぇぇ」
「ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、マジでごめん!」
廊下に1人トイレを我慢してぽつんと立っていると、廊下のお手洗いから出てきた友人2人に私は言いました。
「詰めが甘いわ!ありがとう!ここで待ってるから!」
そう言われた2人の顔はみるみるうちに焦りの表情へ変貌し、中にいる3人に平謝りしていたのを記憶しています。
しばらくして、部屋の中から呼ばれたので入ると、みんなが誕生日を祝ってくれました。
「サプラーイズ!」と言ってくれたみんなの声が少し悲しそうで、私が申し訳なくなりましたが、それでもちゃんと仕切り直しで祝ってくれる5人が本当に好きだなぁと思ったことを私は一生忘れないでしょう。
その後の談笑をひたすら撮影していましたが、この誕生日旅行は本当に大学生活で一番幸せな時間でしたし、一生のうちでこれほど思い出深い誕生日もないでしょう。
一生の思い出をくれた友人たちに、最高の感謝と、もう一度リベンジをしてくれないかと期待していることは、数十年後に伝えたいと思います。
田中さんの体験談について
大学生にとって、今後の進路は悩み所です。普通に就職するのが正解か、留学するのが正解か、アルバイトをいっぱいするのが正解か、休学して旅に出るのが正解なのか正直分かりません。
そんな女子5人の大学生と田中さんの誕生日旅行の話でした。
田中さんの誕生日当日に、田中さんが旅行の手配をするのはちょっとやり過ぎかもしれませんが、大切な女友達と一緒に過ごせた誕生日は本当に嬉しかったことでしょう。そして、本当に思い出深かったに違いありません。
誕生日プレゼントを渡すことも大切かもしれませんが、思い出に残る誕生日も良いものだと実感できる体験談です。
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