誕生日体験談その85。85話目の体験談は、男性、斎藤さんが20代後半のときの体験談です。
情報サイト誕プレでは、誕生日や誕生日プレゼントに関する体験談を様々な人にお聞きし、その体験談を掲載しています。この体験談が、皆さんの誕生日の祝い方や誕生日プレゼントの選び方のヒントになれば良いと思っています。
この体験談は、男性、斎藤さんが20代後半に体験したお話です。
喧嘩ばかりだった父親への誕生日プレゼント
父親と最後にまともに会話したのはいつだろう。集中して記憶も辿っても思い出せないくらい私と父親の仲は良くありませんでした。
ですが、就職を機に地元を離れ、家族と離れて暮らす経験を始めてした私は、日に日に両親に対する愛情を再認識していました。
しかし、もう何年も話していない父親に対してどんなきっかけで、どんなアプローチをすればいいか見当もついていませんでした。
それを友人に相談してみたところ、「誕生日プレゼントか父の日に好きなものをあげて、こちらから少しずつ距離を縮めてみてはどうか?」とアドバイスをもらいました。
そうか、その手があったか。
こんなことですら思いつかないくらい父親との距離感を忘れていたのですが、単純に一番いい方法だと思い、友人のアドバイスを実行することに決めました。
しかし、父親に最後にあげた誕生日プレゼントは恐らく肩叩き券。もう数十年も前の話です。
趣味も好きなものも知らない八方塞がりの状況でした。
どうしようもなかったので、細かく考えることを諦めた私は大胆な行動に出ます。
確か父親は、よくお菓子を食べていてお腹が出て来た事を母親に怒られていました。
父親はきっとお菓子が好きなのだろう!
という、これまた単純な発想でしたが、誕生日プレゼントは段ボールいっぱいのお菓子にしました。
正直、ネクタイやハンカチ、仕事で使うであろう小物など、真剣に選んだ感じが伝わるものは、恥ずかしさもあって避けたかったのです。
合計1万円ほどのお菓子を購入し、父親宛に送りつけました。段ボールを開けた時にマジックで書いた、誕生日おめでとう。の文字が見えるように。
これが当時の私にとって精一杯のアクションでした。
数日後、知らないメールアドレスから連絡が来ました。
「ありがとう」
それが父親から来たはじめてのメールでした。
たった5文字でしたが、胸が熱くなり視界がぼやけてしまいました。
勇気を出して行動して良かった。そう思えた父親の誕生日のお話でした。
斎藤さんの体験談について
みなさんの中にも、似たような経験がある方が少なくないのではないでしょうか。
なかなか素直になれなくて相手との距離感がわからなくなってしまった時、誕生日は離れてしまった距離を縮める絶好の機会です。
大切なことは、プレゼントの内容ではなくて気持ち。
相手を大切だと想い、自分の気持ちがしっかりと伝われば、相手にとってそれが最大のプレゼントなのです。
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